有名大学を卒業すればどこかには就職できると思ってたけどできなかったり、大学院に行けば就職がなくなると思ってたけど景気変動を考えるとむしろ逆だったり、修習の給費制廃止が決まってたのに2ヶ月前になって復活が決まったり。今の時代、生活の安定などというものは時代と政策に簡単に翻弄されてしまう(既に大企業の正社員である等の既得権益を持つ人を除く)。生活の安定を求める努力というものは、無駄とは言わないにしても結果的に100%無駄な努力になってしまうリスクがあることを考えると、生活の安定を求める努力というものは一か八かのバクチであって、むしろ堅実な生き方から程遠い。このことを知るのに30年もかかってしまった。高度経済成長以降バブル以前世代の日本人の大半は体験しなかったことだから、上の世代に聞いて教えてもらうことも難しかった。「金はどうにでもなるからやりたいことをやれ」と20歳の頃の俺に言ってくれた映画プロデューサーもいたけど、当時の俺は理解できなかった。やりたいことをやることが、むしろリスクを減らすのだということを。
俺の母親が、欲しいものを手に入れたり、やりたいことをやったりするのを悪いことだと思っていた人だから、その影響は深く受けてる気がするな。できるだけ、やりたくないことを嫌々やらなければいけないと、多分俺は心の深いところでそう思っている。入りたい企業にエントリーしようという発想もなかったし、法律の資格試験受けてるのも多分法律が凄く嫌いだからだと思う。